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2026.01.03
高知県三原村人口減少のなかで行政サービスはどう守られているのか
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はじめに――四万十町から眺める隣の山あいの村
私が暮らしている四万十町から山道を上っていくと、やがて三原村の看板が見えてきます。
斜面に小さな集落が点々と並び、田んぼと山に囲まれた一角に役場や学校、郵便局がまとまっている――そんな、ぎゅっとコンパクトな暮らしの場です。
のどかな景色とは裏腹に、ここでも人口減少と高齢化は確実に進んでいます。
役場の窓口、福祉、道路や上下水道、村の中を走る車やバス…。
こうした「当たり前のサービス」を、人口1,000人台の村でどこまで維持できるのか。
この記事では、
- 高知県三原村の今の姿
- 人口規模が近い岡山県西粟倉村・群馬県南牧村との比較
- 幡多地域での広域連携という視点
を組み合わせながら、「小さな村の行政サービス維持」について考えてみたいと思います。
断定的な結論というより、「こんな方向性が見えてきそうだ」というレベルの整理・推測として読んでもらえればと思います。
1三原村の人口減少と行政サービスの前提条件
三原村は、高知県西部の幡多地域にある山間の村です。周りには四万十市や宿毛市、土佐清水市、大月町、黒潮町、そして四万十町などがあり、その中で最も小さな自治体のひとつです。
人口や年齢構成の変化は、行政サービスにダイレクトに響きます。たとえば、
- 税収が伸びにくくなり、公共施設や道路・上下水道の維持が重荷になる
- 役場職員や介護職員、看護師など、人材の確保が難しくなる
- 学校、診療所、商店などが「利用者不足」に陥りやすくなる
といったことが起きやすくなります。
三原村でも、高齢化率は高い水準にあり、高齢者だけの世帯や一人暮らしが増えているとされます。▶三原村の人口統計
つまり、「支えが必要な人」は増えている一方で、「支える側」は減りつつある状況です。
それでも行政サービスをあきらめるわけにはいきません。村の計画や実際の取り組みを見ると、サービスの形を作り替えながら、なんとか暮らしを守ろうとしている様子がうかがえます。
2高齢化と担い手不足どこまで行政が引き受けるのか
人口減少と高齢化が進むと、行政サービスの中身も変化を迫られます。特に大きいのは次の三つです。
高齢者向けサービスへの比重の移動
村全体の年齢構成が高齢者寄りになると、
- 介護や見守り
- 通院や買い物の支援
- 健康づくりや介護予防の取り組み
といったメニューの重要度が自然と増していきます。
その一方で、子どもの数が減ることで、学校や子育て支援のあり方も見直しが必要になります。
住民側の「支える人」の減少
中山間地域の暮らしは、本来、行政だけでは回っていません。消防団、自治会、地域の商店や事業者、ボランティアグループ――こうした存在が、半分公共サービスのような役割を担ってきました。
ところが、若い世代が少なくなると、
- 自治会役員を続けられる人が限られてくる
- 行事や見守りを支えるボランティアが集まりにくい
- そもそも地元に事業者が少なくなっていく
という現象が起きます。
「やるべきこと」は残っているのに、「実際に動ける人」が年々減っている――これが担い手不足の現実です。
一人暮らし・高齢者世帯の増加
昔のように大家族が多かった時代と違い、今は、
- 子どもが市外・県外で暮らしている
- 夫婦だけ、あるいは一人だけで暮らしている
というケースが増えています。
ゴミ出し、家の周りの草刈り、病院への送迎、買い物の付き添い……。
こうした細かい部分を、すべて行政がサービスとして用意するのは現実的ではありません。
「どこまでが行政の仕事で、どこからは地域や家族に任せるのか」という線引きが、以前よりも難しい課題になっています。
3三原村集落活動センターやまびこが担う役割
こうした中で、三原村の特徴になっているのが、住民主体の集落活動センター「やまびこ」です。
村の中心部にある建物に入ると、カフェスペースやキッチン、イベントができる広い部屋などがあり、地域の人がふらっと立ち寄れる雰囲気があります。ここを拠点に、住民や移住者が一緒になってさまざまな活動を行っています。
具体的には、
- 地元の野菜やお米を使ったランチやお弁当の提供
- 体操教室やイベントなど、健康づくりと交流の場づくり
- 日常の困りごと相談や、ちょっとした見守りの受け皿
- 農産物の加工や新商品づくりへのチャレンジ支援
といった取り組みが挙げられます。
見方によっては「地域おこし」「にぎわいづくり」の施設ですが、行政サービスの観点から見ると役割が少し違って見えます。
- 高齢者が自然に足を運ぶことで、安否確認や悩みごとの早いキャッチにつながる
- 村内に小さな仕事を生み出し、収入と生きがいを同時に作り出す
- 集落と役場の間に入ることで、「行政に相談する前の段階」の受け皿になる
つまり、
役場と集落のあいだをつなぐ「中間的な公共スペース」
として機能していると言えそうです。
三原村の行政サービスは、今後、
- 役場が直接担う基礎的なサービス
- やまびこのような地域組織が支える暮らしのサービス
- 周辺市町に頼る高度なサービス
という三つのレイヤーで考えていくことになるのではないか――そんなイメージが浮かんできます。
4三原村と西粟倉村南牧村の比較から見える選択肢
ここで、人口規模が似ている二つの村、岡山県西粟倉村と群馬県南牧村を取り上げてみます。三村とも1,000人台の人口ですが、歩んでいる道はそれぞれ違います。
岡山県西粟倉村移住と起業で未来を描く村
西粟倉村は、林業を核にした「百年の森林」構想や、ローカルベンチャー支援で知られています。▶西粟倉村の人口考察
村外からの移住者や起業家を積極的に受け入れ、小さな会社や仕事を村の中につくる流れをつくってきました。
その結果、
- 高齢化は進みつつも、若い世代も一定数暮らしている
- 子育て世帯や起業希望者が、行政サービスの重要な対象になっている
という状況になり、行政サービスも、
- 子育て・教育環境の整備
- 起業支援やテレワーク環境の整備
- 森林資源を活かした産業政策
など、将来への投資色の強いメニューを打ち出しやすくなっています。
群馬県南牧村超高齢社会の最前線に立つ村
一方、南牧村は、全国有数の高齢化率を持つ自治体としてよく名前が挙がります。
人口は三原村と同程度ですが、65歳以上の割合はさらに高く、「超」がつく高齢社会です。▶南牧村の人口事情
この条件の下では、
- 特別養護老人ホームやデイサービスなどの福祉施設
- 通院や買い物の送り迎えといった移動支援
- 見守り体制や相談窓口の拡充
など、高齢者向けサービスがどうしても中心になります。
財政面・人材面の負担は重くなりますが、「とにかく暮らしを支える」方向に舵を切らざるを得ない、という印象を受けます。
三原村が立っている位置と取り得る方向
三原村は、西粟倉村ほど若い世代の流入があるわけではなく、南牧村ほど高齢化率が突出しているわけでもありません。
人口規模は同じくらいでも、「どの世代がどれくらいいるか」が違うため、行政サービスの組み立て方も変わってきます。
その意味で三原村は、
- 南牧村のように、高齢者福祉を最優先に厚くする方向
- 西粟倉村のように、移住や仕事づくりに力を入れて年齢構成を整える方向
- やまびこを軸に、地域組織と行政が役割分担していく方向
といった複数の道を、まだある程度選び取りうる位置にいるように見えます。
どこに重心を置くかによって、将来の行政サービスの姿はだいぶ違ってくるのではないでしょうか。
5幡多地域広域連携と三原村の役割分担
もう一つ外側の視点として、「幡多地域全体での役割分担」があります。
三原村の住民も、仕事や高校、病院、大きな買い物など、多くの用事を四万十市や宿毛市に頼っています。これは現状でもそうですし、この先も大きくは変わらない可能性が高いでしょう。
この前提に立つと、三原村が自前で守るべき行政サービスは、次のような部分に絞られてくるかもしれません。
- 住民票や税、福祉相談など、暮らしの基礎に関わる窓口業務
- 集落とやまびこを通じた見守りや生活支援
- 村内移動やコミュニティ維持のための小さな交通サービス
逆に、
- 総合病院や専門医療
- 高校や一部の教育機会
- 大型スーパーや専門店
といった機能は、「幡多地域の都市部が担い、三原村を含む周辺が利用する」という構図が、今後さらに強まっていく可能性があります。
その際にカギになるのは、
- 高齢者でも使いやすい移動手段(コミュニティバスや乗り合いタクシーなど)
- オンライン診療やリモート相談など、デジタル技術の活用
といった仕組みでしょう。
広域連携を「絵に描いた餅」にしないためには、こうした具体的な足回りがどこまで整うかが重要になりそうです。
おわりに――行政だけに頼らない仕組みづくりの先に見えるもの
三原村、西粟倉村、南牧村。
人口規模は似ていても、行政サービスのあり方や、そこに至る背景はそれぞれ違います。
三原村の場合、
- やまびこのような地域組織と連携しながら、行政サービスを「役場だけのもの」にしない
- 幡多地域全体の中で、自分たちの役割と外部に頼る部分を整理し直す
- 将来の担い手を少しずつでも増やすために、移住や仕事づくりの余地を探る
といった方向性が、今後の選択肢になっていくのではないかと感じます。
どこまでを村の中で守り、どこからを広域や民間に託すのか。
その線引きは、数字だけでは決められず、住民の希望や地域の価値観も深く関わってきます。
はっきりした正解はまだ見えていませんが、三原村の試行錯誤の過程そのものが、同じように悩む全国の小さな自治体にとって、一つの参考例になる可能性があります。
四万十町という隣町からその姿を見ながら、「これからどんな行政サービスのかたちが生まれてくるのか」を、引き続き追いかけていきたいと思います。
2025.12.29
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このブログで考えたいこと
室戸市の人口はなぜ減り方が目立つのか
近隣の町とどこが違うのか
そして、人口規模が近い岩手県一戸町や石川県珠洲市と比べたとき
どんな性格の違いがあるのかを見ていきたい
はじめに
距離は数字ではなく「暮らしの感覚」
四万十町で暮らしていると、移動にまつわる感覚はメートルやキロじゃないと感じる
買い物、病院、学校…その道が一本道だと、生活が静かに縮んでいく気がする
室戸市を思い浮かべると、まず頭に浮かぶのは国道55号
海沿いを走る一本道で、風景は美しく観光資源も多い
室戸岬灯台、御厨人窟、室戸ジオパーク、むろと廃校水族館
道の駅キラメッセ室戸、そして室戸スカイライン
こんなに見どころがあるのに、人口は減っていく
しかも周辺市町村よりも、もう一段深く減っているように見える
今回はその違いについて、いくつかの見立てをもとに考えてみる
室戸の減少傾向に見える「クセ」
他の町も減っている。でも、室戸は落ち方が違う
安芸市、奈半利町、田野町、安田町、東洋町、北川村、馬路村
どこも人口は減っている。室戸だけが特別というわけではない ▶安芸市のページ
それでも、室戸の減り方は“目立つ”
私にはそう映る
減り続けるグラフに、少しの“緩み”がない
近隣の町は、たとえ減っていても
ある時期には少し落ち着く雰囲気が見える
室戸はその前にもう一段落ちるように感じる
数字というより、生活の気配としての話
暮らしの重心が外に引っ張られている
室戸にもサンシャイン室戸店や室戸中央病院など、生活の基盤はある
ただ、用事が複雑になるほど安芸市方面へ出ていく選択が増える
この「ちょっと寄る」が重なることで
中心の存在感がじわじわと薄れていく
減少率以上に、空気が変わってしまう
観点1
終点の町というポジションが「戻る選択」を難しくする
国道55号は、確かにつながっている
でもそのつながり方は「ここで終わり」という形になっている
奈半利町までは鉄道の延長として生活圏が成り立っているけれど
そこから先は完全に車とバスの世界になる
いったん町を離れた人が戻ってこようとするとき
鉄道の有無、病院の数、通勤経路の選択肢が候補地の条件に加わる
どれも揃っている場所のほうが戻り先として選ばれやすい
室戸は、どうしても“最後の候補”から外れやすい
室戸スカイラインからの景色は素晴らしい
けれど、暮らしは景色より時刻表と日々の費用で決まる
地形がつくる「終点感」が静かに影響しているように思う
観点2
拠点が限られる町では、暮らしの選択が外に向かいやすい
室戸は、暮らしを支えるポイントが限られている
役所、病院、学校、スーパー……それぞれの距離が遠く、点でつながっている印象がある
安芸市は、ひとつの場所で複数の用事を済ませられる
奈半利町、田野町、安田町も、国道沿いで生活が完結しやすい配置になっている
一方、室戸ではライフステージが変わるごとに
住み替えの判断が出やすい気がする
そしてその行き先は、ほぼ安芸方面と決まっているようにも見える
引っ越しは静かに起きる
そして戻る人は少ない
この「戻らない」が室戸の人口減少を
より鋭く、深く見せているのではないだろうか
観点3
観光の強さが、暮らしを支える力と一致しない
観光面では、室戸はかなり強い
ジオパークや灯台、水族館、御厨人窟など話題性はある
国道55号でスポットがつながっていて、アクセスも悪くない
ただし、来訪者が増えることと、住民が増えることは別問題
観光業は季節による波が大きく、定住には直結しにくい
定住を増やすには、仕事・教育・医療・住宅・買い物
この5つが同時にそろう必要がある
その「同時」が難しいため
室戸は“魅力があるのに減っていく”という矛盾を抱えやすい
努力の問題ではなく、構造のギャップなのだと思う
人口規模が似ている自治体と比べてみる
岩手県一戸町と石川県珠洲市
室戸市と似た規模の町に、岩手県の一戸町と石川県の珠洲市がある ▶市町村人口ランキング
一戸町は内陸の町で、周辺都市への連携が取りやすい立地
減少傾向にあっても、生活圏を“横に広げる”選択肢が残されている ▶一戸町の人口について
つまり、端ではあっても「終点ではない」構造になっている
珠洲市は、能登半島の先端に位置していて、室戸とよく似た地形条件を持つ
ただ、珠洲は大きな地震災害により、短期間で人口が大きく動いた時期がある ▶珠洲市の人口についての記事
室戸の場合はそうした急な変化はなく
時間をかけて静かに細っていく減り方が特徴
同じ「先端」の町でも、減り方の理由や背景は異なっている
今のところの結論として思うこと
室戸市の人口減少が、周辺市町村よりも目立って見えるのは
減少のスピードや割合ではなく
「生活圏が一方向にしか広がらない」という構造にあると思っている
-
国道55号がすべての動線になっている
-
鉄道が奈半利で止まり、室戸は車中心の町になっている
-
医療や教育、買い物の選択肢が限られ、暮らしが重くなるほど外へ出る決断が生まれやすい
-
観光に強みがあっても、定住を支える土台には結びつきにくい
こうした要素が重なって
室戸の人口減少は、目立たないようでいて確実に深くなっていく
そして、それは数字よりも生活の“かたち”に表れているように感じる
おわりに
室戸は弱くない
資源も景色も、物語もたくさんある町
それでも人口が減るという現実が、地方の難しさを物語っている
次に室戸を訪れるときは、観光地をめぐるだけでなく
バス停の時刻表や病院へ向かう車の流れ
サンシャイン室戸店の混み具合を見てみたい
そこに、室戸の生活の設計図が見える気がしている
結論は急がず、でも
室戸の「違い」は、地形と生活圏の偏りが静かに数字に刻まれている結果なのだろうと
今のところはそう考えている
2025.12.27
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高知県の黒潮町って、人口の減り方どうなんだろう。
速いのか、遅いのか。
県内で比べたらどんな位置なんだろう。
そんな疑問に、自分なりの答えを書いてみます。
四万十町に住んでる自分の目線から。
数字と暮らしの景色、どっちも混ぜて。
このページに来た人が知りたいのって、
「結局、黒潮町ってやばいの?」というところだと思うんで、なるべくストレートにいきます。
まず結論から言ってしまおう
黒潮町の人口減少スピード。
ざっくり言うと、県平均との差ではやや速め。
ただし、県内でバンバン減ってる市町村の中に入ると、
そこまでトップクラスではない。真ん中よりちょい上くらい。
つまり、「めっちゃ減ってる!」とは言い切れないけど、
「いや全然減ってないよ」とも言えない。
どっちかに丸つけるなら「速い寄り」。
でも、最速ではない。そんな立ち位置。
数字で見るとこう
令和2年の国勢調査までの5年間。
黒潮町の人口は11217人から10262人に。
955人減。減少率で言うと8.5パーセント減。
ちなみに県全体の同じ期間は、5.0パーセント減。
それより多い。なので、黒潮町は県平均より「速めに減ってる町」。
しかもこの減り方、急激にガクッと来るわけじゃない。
じわじわ、少しずつ削られる感じ。
気づいたときには「あれ?」ってなる。
そんな減り方が、一番怖いのかもしれない。
県内で比べるとこんな位置
高知県内には、10パーセント以上減ってる自治体も結構ある。
例えば、大豊町は17.9パーセント減。
東洋町は15.1パーセント減。
室戸市は13.2パーセント減。
それに比べたら、黒潮町の8.5パーセントは少しマシ。
なので、スピード的には中間帯くらい。
「中位ってことは、まだ大丈夫そう」と思うかもしれないけど、
実は、県全体が急坂すぎて、その中位ですら結構な坂道。
なので安心はできない。むしろ気づきにくいぶん危うい。
同じ町なのに雰囲気が変わる、大方と佐賀
黒潮町って、場所によって空気が変わる。
大方側と佐賀側。生活の雰囲気も、流れてる時間も違う。
大方は国道56号が主役。
車の流れが速くて、町がそのまま通過点になりがち。
一方の佐賀は、土佐くろしお鉄道の土佐佐賀駅の周りに生活が寄ってて、
歩く人のスピードもゆっくり。
この違い、なんとなく好きなんですよね。
町の中に二つのリズムがあるのって面白い。
でも、減り方だけは同じ。
静かに、平等に、減っていく。どっちも。
四万十町から行くと分かる「減り方」
自分は四万十町の窪川に住んでます。
黒潮町に行くには、国道56号をそのまま南へ。
車を走らせると、山の暮らしから海の暮らしに切り替わる感じがある。
四万十町は集落が点。山の奥にひっそり。
黒潮町は線。入野や佐賀に、人がずっと並んでるような配置。
見た目は、黒潮町のほうが人が多そうに見える日もある。
でも、数字は減ってる。しっかりと。
四万十町は「減ってるな」と肌で分かる。
黒潮町は海が明るいから、減ってるのが分かりにくい。
この「見えにくさ」が、逆に怖いんです。
観光の強さが、減り方をぼかす
入野海岸に立ったときの、あの風と砂。
砂浜美術館の、何もないけど何かある感じ。
観光で来た人には「え、こんな町が人口減ってるの?」って思われるかもしれない。
道の駅ビオスおおがたも、平日でも車が出入りしてるし、
週末なんて県外ナンバーがずらり。
自分もたまに野菜を買いに行って、結局ソフトクリーム食べて帰る。
ただそれだけで気持ちが回復する場所。
佐賀には道の駅なぶら土佐佐賀があって、
黒潮一番館ではカツオのたたきの匂いがずるいくらいに人を引き寄せる。
外から見ると元気な町に見える。
だから、減ってるって言われてもピンと来ない人が多い。
でも、観光と定住は別物。
人が立ち寄っても、そこに住んでくれるとは限らない。
寄り道は増えても、住所は増えない。そこが現実。
暮らしの場所があっても減るという現実
黒潮町って、ちゃんと生活の拠点がある町なんです。
町役場がしっかり機能してて、用事がある人が集まる場所もある。
大方あかつき館も、自分は好きな場所。
図書館として使えるし、子どもも年配の人も静かに混ざっている。
こういう場所がある町って、生活がちゃんとしてるなって思う。
佐賀にはサニーマートもあるし、
ローソンも入野・佐賀・大方バイパスのあたりに点在してる。
生活は、組み立てられる。ちゃんと。
なのに減っていく。
施設があっても、便利があっても、減る。
それってもう、「減る理由は別の場所にある」ってことだと思う。
人口の減り方が、日常ににじみ出る瞬間
人口って、数字で見ると分かりづらい。
でも生活の中では、ふとした時に分かるんです。
例えば、顔ぶれ。
集落の会合で「はじめまして」がなくなる。
いつものメンバーだけになる。
祭りの規模が少しずつ縮む。
やることを減らして、なんとか継続。
役が回ってくるスピードが早くなる。
自分の番が予想より早く来る。
国道56号を平日の昼間に走っていて、
車の数は多いのに、歩いてる人の姿がほとんどない。
そのギャップに「ああ、これだ」と思う瞬間がある。
鉄道を使う高校生の話を聞くと、
進学も就職も、町の外に出るのが当たり前。
戻ってくる人もいる。
でも、みんなが戻るわけじゃない。
その間に空白の数年があって、
その空白のまま、町の人口が減っていく。
静かに。確実に。
道ができても、人は戻らないかもしれない
黒潮町は、道路整備の話題がわりと出てくる町。
佐賀大方道路、大方四万十道路、黒潮佐賀IC、黒潮大方IC。
聞こえは明るいし、災害時の安心感にもつながる。
でも、その道が完成したとき、
外に出るのがより便利になるのも事実。
高知市も、四万十市も、行きやすくなる。
便利になるって、すごく良いことだけど、
その便利さが「住まなくてもいい理由」にもなる。
車で1時間の範囲が広がると、
若い人の暮らしも、働く場所も、買い物も、町の外へ伸びる。
町の中で完結しなくなる。良くも悪くも。
防災の町であるという難しさ
黒潮町は、防災意識が高い。
海が近いぶん、南海トラフの話題が日常にある。
避難路の表示や、高台誘導の看板もよく目に入る。
住んでる側からすると、それは安心でもある。
でも、外から見る人にとっては「リスク」として映ることもある。
「防災に力を入れてる町」としての顔と、
「地震が怖い町かも」というイメージ。
努力しているのに、その努力がブレーキになる場合もある。
これは本当にもったいないけど、よくある現実。
最後にもう一度まとめると
黒潮町の人口減少スピードは、県全体の平均よりは速い。
でも、県内の他の町と比べて最速ってほどではない。中間あたり。
観光もある。施設もある。暮らしの手ごたえもある。
だからこそ、減っているのが見えにくい。
見えにくいまま、確実に減っていく。
速いのか遅いのか。
答えは、速い寄りの中位。
これが、自分なりの答えです。
2025.12.26
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高知県宿毛市の人口が減っている…という話はよく耳にするけれど、実際どの年代がどう減っているのか、知っていますか?四万十町に住んでいる僕の目線で、宿毛市の現状を少し深掘りしてみました。進学、就職、子育て、介護、それぞれの年代にあるリアルな理由。統計じゃ見えない日常の風景から感じたことを、個人ブログらしくゆるっと書いています。
はじめに 四万十町に暮らす僕から見た宿毛市
四万十町に住んでると、宿毛市って距離は近いのに空気感が違うなって思うことが多い。国道56号を西へずーっと走って、宿毛駅が見えてくる頃には、町の雰囲気がガラッと変わる。建物の高さ、人の流れ、車のスピード、どれも微妙に違う。
今回はそんな宿毛市の「人口がどの年代から減っているのか?」について、ちょっと掘ってみる。数字の話ではあるけど、できるだけ肌感で語りたい。町に住んでる自分の目線から見たリアルな話。
一番減ってるのはどの年代?って聞かれたら
これ、はっきりしてる。20代前半から30代前半。ここがガクンと減ってる。
理由はシンプル。進学と就職。宿毛駅から土佐くろしお鉄道で高知市や、さらにその先の県外へ出ていった若者が、そのまま帰ってこないケースが多い。延光寺の近くに住んでた知り合いも、福岡の大学行って、そのまま就職して今は熊本にいる。
宿毛に仕事がないわけじゃない。でも、選べる幅が少ない。だから、もっと選択肢がある場所に出て行くのは当然の流れだと思う。
子育て世代って今どうなってるの?
20代後半から40代前半、いわゆる子育て世代も減ってきてる。すごく静かに、じわじわと。
宿毛市立宿毛小学校とか、市内の保育所の園児数を見てるとなんとなく分かる。子どもはいる。でも爆発的には増えない。減るほうが目立つ。
理由はおそらく仕事と収入のバランス。サニー宿毛店やフジ宿毛店で働いている人はいる。でも、子育てしながら生活を安定させるには、収入的に難しいと感じる世帯もある。だから、四万十市や高知市方面へ家族ごと移動することもある。
国道321号沿いの住宅地、夜になると灯りが少なくて、あぁここも出ていったのかな…って思う家がちらほら。
高齢者は増えてるんじゃないの?と思いきや
ちょっと複雑。
60代〜70代前半は確かに多い。宿毛市役所の周辺や、宿毛湾の遊歩道で朝散歩してる人たちはこの年代が中心。でも75歳を超えると、一気に減る。体力的な問題や、介護が必要になることで、県外の子どもや親戚のいる地域に引っ越すことが増える。
それと自然減。つまり寿命も関係してくる。
宿毛市民病院の外来でも、よく見る顔が急に見なくなったりすると、やっぱり思うところがある。年齢によるリズムの変化は如実だなと。
若者が減ると、町ってどう変わるのか?
単純に静かになる。けど、それだけじゃない。
宿毛駅前の商店街、昔は夕方になると学生の自転車が行き交って、ちょっとしたにぎわいがあった。でも今は、通るのは観光客か地元の年配の方が多い。観光名所としては延光寺とか宿毛湾の夕陽とかあるんだけど、それは「日常のにぎわい」とは別のもの。
観光はイベント的。人口は日常の流れ。それが細ると、町のリズムも痩せていく。
四万十町から見て、宿毛市は「危ない」のか?
「危ない」とは言わない。でも、変化のスピードは確かに早いと感じる。
若い世代が先に抜けて、その後に子育て世代、最後に高齢者が減っていく。この順番がすごく分かりやすい。四万十町も同じ流れではあるけど、宿毛の方が明らかに進んでる。
道路で言えば、国道56号は同じ道。でも、向こうの方が道沿いの店舗が減ってる。廃業したお店のシャッターに貼ってある「長らくありがとうございました」の張り紙が、妙に胸に刺さる。
日常の風景に見える変化
宿毛市民病院の待合室に座ってる人たち。フジ宿毛店で買い物してる時間帯の層。宿毛湾港のベンチで昼間に座っている人たち。全部、高齢者が中心。
この現実は責めるべきことではない。ただの事実。でも、若い世代が減ると、町の意思決定が高齢者向けになる。それは合理的だけど、未来志向ではない。
公共施設の改修も、高齢者が使う頻度の高いところが優先される。道路も、歩道の段差よりスロープの整備が優先される。それも理解できるけど、結果として若い人たちにとっての「暮らしやすさ」がどんどん後回しになっていく。
それでも宿毛市に残っているものたち
海がある。延光寺もある。人と人との距離が近い。
四万十町に住んでる自分から見ても、宿毛の人たちのあたたかさは感じる。世帯数が減っても、つながりが残る町ってなかなかない。
人口減は確かに深刻。けど、それぞれの年代層がどう減っていってるのかをしっかり見れば、どこから手を打つべきかが見えてくる。若者を無理やり呼び戻すんじゃなくて、「あ、帰ってきてもいいかも」って思える町づくりが必要。
そのためには、まず現状をちゃんと見ないといけない。感情じゃなくて、状況を見る。
最後にまとめ どの年代がどう減ってるのか?
宿毛市の人口の流れをざっくり整理すると、
・まず20〜30代前半の若年層がごっそり抜ける
・続いて、子育て世代がじわじわ減っていく
・最後に、高齢者が少しずつ自然減で減っていく
この順番が、かなり明確。
宿毛駅の周辺、国道56号、サニーやフジ宿毛店、宿毛湾港、市民病院…どこを切り取っても、数字じゃなく空気で伝わってくるものがある。
四万十町に住んでる自分にとっても、これは遠い未来の話じゃない。すぐそこにある現実の話だ。だからこそ、他人事にしないでおきたい。
この記事を書きながら、四万十町と宿毛市の違いって、意外と目に見えないところにあるなぁと思いました。距離は近いのに、人口の動きや生活のリズムがちょっと違う。宿毛市の商店街を歩くと、懐かしさと寂しさが混ざったような空気があって、それが好きでもあり、気になる部分でもあります。減っていくことを悪いと決めつけるより、どう付き合っていくかが大事なんだろうなと思います。僕ら自身もまた、次の数字の一部になっていくわけですし。
2025.12.24
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奈半利町、人口2,783人でも存在感はマシマシだった話🍆✨
人口2,878人が他人事じゃなくて、大豊町を気になって調べずにいられなかった話🏔️
人口4,246人って聞いて気になったので調べた高知県・大月町という町の話📊🌊
人口349人の現実📊高知県大川村が気になって仕方ない理由
🏞️ 土佐町の人口 2025年11月1日時点で3,420人らしい
人口11,255人へ減少した土佐清水市、高知の端で意外な魅力を再発見🌊
土佐市の人口25,357人を調べて見えた減少の現実📉
四万十市の人口変動30,975人を気になって追った結果😅
南国市の人口45,548人を調べて気づいたことを語る😅📊
人口1,170人の北川村を気になって調べ始めたら止まらんかった件😅🌱
佐川町の人口11,568人を気になって調べてみたら感じたこと😂
🌿人口4,341人の仁淀川町(によどがわちょう)ってどんなとこ?気になって調べてみたら、想像以上に深かった話😳💧
🌿三原村の人口1,337人って…?高知県の小さな村が気になりすぎて深掘りした話🤔✨
🌟高知市のバスと路面電車、これからどうなるの?ゆるっと語る交通リ・デザインの話🚋🚌
🏞️ いの町の人口20,684人、仁淀ブルーとともに生きる町のリアルを調べてみた🌊
清流の町、四万十町は14,622人🌊今こそ見つめたい地域のチカラ
中土佐町の人口5,679人、山と海に囲まれた「ちょうどええ」町のリズム🏞️🐟
人口9,726人の黒潮町😊隣の海辺で続く温かな日常
四万十町のオープンデータが動かない📉準備中のまま時が過ぎていく町の今
宿毛市の人口18,004人になって思う 静けさの中に息づく暮らし🌿
🌿40010町自見簿(しまんとまちじけんぽ) はじまります✨

